皆周知の通り、テキサスは草野球チームに入り毎週プレーしている。
草野球は今、技術の発達で、すごく飛ぶ複合バットというものが開発され、草野球でも柵越えホームランがバンバン出るような状況になっている。
テキサスが所属するチームもチームメイトはホームランを打つ選手がそれなりにいて、
昨年のホームラン王は年間で8本(全て柵越えではないが)打っている。
これが他のチームでもかなり増えていて、野球場の外を歩く人や、隣接するテニスコートの利用者からクレームになるケースが増えたのだろう。
テキサスが所属するチームがメインで使用する公園は昨年途中から複合バットが禁止になってしまった。
現在は木製、もしくは金属バットのみ使用が許されているため、柵越えのホームランはほぼ見られなくなった。
それだけ使用するバットで飛距離が変わってしまう。
科学の進歩は恐ろしい。
そんな中、昨年ワンデートーナメントに参戦し、優勝し、景品で最新型の複合バットをもらった。
チーム用バットとして活用し、複合バットの使用が許されているグラウンドで行われる対外試合の際は使用される。
これだけすごいバットがありながら、テキサスは柵越えのホームランを1度も打てずにいた。
草野球はグラウンドが歪つなケースも多々あるので、レフトがすごく広くてレフトの頭を越せばほぼランニングホームランになることがよくある。
その恩恵でホームランを打ったことは何度かあるが、
柵を越し、ゆっくりとダイヤモンドを一周し、ベンチでチームメイトに祝福される、ということをまだ経験していない。
2月15日、レフトがかなり狭めでフェンスは高い、比較的ホームランの出やすいグラウンドで試合をした。
テキサスはなんとこの試合人生で初めて柵越えのホームランを放つ。
案外初めてのホームランは完璧な当たりではないもので、
低めの変化球を泳ぎながら上手く拾えた結果いい角度で上がり、柵を越した。
その日チームで柵越えは出ていなかったこともあり、チームメイトに祝福され、
「初めてだろ!?足震えた!?」とイジられながら喜びを噛み締めた。